「岡ちゃん」と言えば、もちろん元サッカー日本代表監督、岡田武史氏である。
あの岡ちゃんに、間近でお会いできるチャンスがあるなんて、逃す手があろうものか?!思考を挟む隙などない。とにかくジャンボフェリーに飛び乗ってしまえ!
結論から言おう。
「サッカーの岡ちゃん」であることは、間違いない。でも、決して「サッカーだけの岡ちゃん」ではない。社会派の学者さんとでも言おうか、夢の伝道師とでも言おうか、静かにそして熱く語る彼のオーラに飲み込まれて、会場中が聞き耳を立てた。
もちろん僕も、多くの方と同じように、魂を揺さぶられてしまった一人だ。感動が大きすぎる。「岡ちゃん凄い」、この一言しか出ない。
背中を強烈に押された気分である。これから、自分の人生に落とし込んでいくのだ。
岡ちゃんに会った
小豆島スポーティーズのクラブオーナー総会で、講演下さるとのことで、飛んで行った。
知らなかったことだが、岡田さんの本籍地は小豆島にあるそうで、この機会にお墓まいりをされたそうだ。
その岡田さん、今はサッカーの指導者ではなく、今治のサッカークラブを運営する会社のオーナーをされている。経営者である。
そのクラブの理念、そして経営コンセプトとは?
「次世代のため、物の豊かさより心の豊かさを大切にする社会創りに貢献する」。
モノだけでは行き詰まる
僕は、日本の高度成長期を少しだけ体感できた世代だ。何しろ、身近なところで生活レベルが急激に向上していく様子が、はっきりと見えた。
それらは、多くの場合〝モノ〟がふんだんに供給されるようになった結果であった訳だが、それを経た今の日本が、幸せに満ち溢れた国になっただろうか?
大きな不安はない。命の危険に晒されることもない。快適である。幸せには違いないのだ。
でもどんよりと胸の内に巣食う行き詰まり感、息苦しさ。
これからも同じ方法を続けるだけでは満たされないのではないか、という不安は、疑いようがないように思える。
その先にあるもの
そこで、感動、信頼、共感等の目に見えない〝資本〟をお金に出来ることが永続性を生むのでは?という考えに行き着く。
「お金」という言葉に、どこか〝ためらい〟を感じる方も居られるだろうが、お金が必須であるのは事実で、それを超越する理念が伴うときに、深い絆の強固で豊かな社会が実現できる筈である。
甲子園のアルプスには僕も行ったが、あの前後数ヶ月間のザワザワ感は、単なる「祭り好き」ではとても説明出来ない。強い郷土愛と絆を持ってすれば、かの大きなムーブメントを起こせることは、小豆島の場合、すでに実証済みということになる。田舎も都会もないのである。
哀しいかな、文化的格差は疑いようがない。それなら、それを補って余りある感動を生んでみようではないか。伝えてみようではないか。
自分の中にある感動を伝える
自分の中にある感動を精査・ピックアップして伝えるというのを、僕は残り半生のライフワークとしたいと思っている。
しかし、どこを取っても大したものは持ち合わせていない。如何せん、ただのオッチャンである。でも、切っても切れないものだってある。
小豆島だ。
まだ住んだことがなくても、血は100%「島人」。
大好きなテニスと自転車を、小豆島とリンクして根付かせる。笑顔が島には収まり切らない、海にこぼれ落ちそう!ってくらいにしてみたい。
綺麗な海と山の風景を、「心の故郷だ」と感じてくれる人を増やしてみたい。誇り高い、神さまに守られた島なのだ。出来ないことはない、と信じている。
好きだからこそ
さて、妄想は広がるばかりなのだが、このワクワク感が一番人間をポジティブにするし、集中力を高めてくれるものでもある。
岡田さんだって、サッカーの世界では超有名人だが、失礼ながら経営者としてはまだ日が浅い。ただの「熱いオッチャン」ではないか。その点、僕と変わらない。
具体的にやりたいことがどんどん湧いてきているので、実現性が限りなく低いものでも公開していこうと考えている。
〝たわごと〟にもお付き合いを…。何事も、とりあえず口に出してみるところがスタートなので…。
まとめ
数年前までは、業績が落ちた組織を立て直すためには、「生産性の低いメンバーを下から順に切ればよい」と、さも常識かのように語られていたように思う。
なんだ?世の中ホリエモン崇拝社会に変貌したのか?
でも、最近は変化を感じることも多い。「ティールズ」というらしいが、身近な仲間の満足感を最優先する組織こそが最先端と言うのだ。
弱いものを助け、失敗を許容する。等価交換を大前提とする社会においては、明らかに「贈与」でしかない。
でも、それによって冒険的トライを重ね、創造性を発揮する人たちが輩出する土壌が育まれるなら、小豆島こそがこの可能性を幾代にも渡って持ち続けてきたことになる。
前向きな力に溢れ、力強く立つ小豆島の未来を、確信させてくれた今回の岡田さんのお話。あの会場で、泣きそうになるほどに勇気付けられたのは、僕だけではなかったはずだ。
挑戦すべきことが、人生の道中にまだまだたくさん待ち受けている。そして、それはもちろん叶えるべきものなのだ。
スポーティーズ関係者の皆様のご尽力には、感謝の言葉がどれだけあっても足りない。ご縁をいただいた皆さまにも、感謝。
森下昌彦(えむもりさん)
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