港は、都会で言うところのターミナル駅である。しかし、だからと言って何でも揃っているとはいかないのが田舎たる所以。
小豆島福田港も、ちょっとした食堂と、お土産やさん程度のひっそりした場所だが、その「ちょっとした食堂」がなかなかのレベルなので、油断しないで欲しい。
早速紹介しよう。
小豆島福田の木原食堂に行った
姫路からの航路がある小豆島の福田。便数も多くて、僕はこの船を使うことが多い。
船に乗る時に、飛行機じゃあるまいし、1時間も前に港へ着いておかなきゃ!と考える方は少ないだろう。
だから、案外その近辺での滞在時間は短いように想像できる。
僕も、50年も前から此処のフェリーに乗っているが、木原食堂には2、3回くらい行ったことがあるだけだ。
これぞ大衆食堂!
フェリー乗り場のすぐ前、国道沿いにひっそりと建っているのが「木原食堂。」
都会には、こんな素朴な感じの「食堂」という呼び方がぴったりと当てはまる場所が、殆ど無くなったように思う。
GW中で、結構な賑わいだったこの日。店はおばちゃんひとりが回していて、てんやわんや状態。客は大半が地元の人たち。
僕がいただいたのは、「生姜焼き定食」。家庭料理そのもので、いい意味で飾りっ気なし。美味しそう。これに1個100円のおでんを追加。「忙しいから自分で入れて!」って言われそうな勢いで、言われる前にそうした。何個取ったかは自己申告。誤魔化す人なんか居るわけがない。そういった雰囲気。ええなぁ…。
がっつりボリューミーなのだが、「ちょっと軽めに…」という方は、うどんがオススメなのだ、実は。暑くなったら、冷やしの釜揚げうどん…(^-^)あぁ、待ち遠しい。
ローカル色満載
福田は漁師村でもあるので、新鮮な魚がいっぱいある。この日も、「おばちゃんいっぱい取れたでぇ~」という声と共に、おっちゃんが入り込んで来た。手にはバケツいっぱいの魚。聞けば定置網で取れたものらしい。
「造っといてなぁ~」「いま忙しい、アカン!」というやり取り。なんともこの空気感が心地良い。よしもと新喜劇張りである。
地元じゃなくても懐かしい
「僕にも分けて下さい」の言葉をグッと飲み込んだのだが、常連になって、おばちゃんの包丁さばきで、飛びきり美味い刺身を食べさせて欲しいなぁ。そんな気持ちにさせられる、ほんわかな食堂なのである。
港にちょっと早めに着いた時は、ぜひ寄っていただきたいのだ。誰もが持っているはずの、「郷愁」を呼び起こされるのは必至。
森下昌彦(えむもりさん)
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