「わたしたちは、いつだって好きなことをして生きていける。」は、普通の人でも自由に楽しく生きていくための指南書だった。

この本の著者である直島美佳さんという方を、失礼ながら全然知らなかった。

お稽古ごとに365も通われたとか、その後の華々しいプロフィールを拝見する限り、とても「普通のひと」ではないと思うが、元は一般人の我々と変わらない感覚の女性であることがよく伝わってくる。

そんな親しみやすい方であるがゆえ、「好きなことをして生きていけるんだよ」と、明るくそしてほんの少しだけブラックに語りかけてくれたら、「これ、いけるんじゃない?」と単純に思ってしまう。

肩の力を思いっきり抜いて、この中の一つでも実行してみたら、きっと道の先が明るく照らされた思いがする筈だ。

早速紹介しよう。

ネガティブな感情を否定しない

どんな自己啓発本にも書いてある。

「人に尽くしましょう」「生きる目的は社会貢献すること」だと…。分かっちゃいても、どうもそんなに聖人君子ではなさそうなのだ、僕は…。

稲森和夫さんばりに、「利他だ!」「奉仕の精神だ!」ってのももちろん大切。でも、もっとブラックでドロドロした感情がふつふつと湧いて、それ故「僕って、ホント駄目…」てな具合になってしまう。自己肯定感下がってるじゃん!

でもそれでも良い。至極自然な感情なんだから仕方ない。ネガティブワードを撒き散らして、大暴れしてやろうか、って時があったとしても、ギリギリそこまではOKとしよう。余計な感情はさっさと手放してしまえれば良いだけのことで、それが出来るようになることを重視した方が良い。

何もやる気が起きない時はどうしよう…

例えば、もし全然やる気が起きない時はどうしよう?

とにかく「楽しいこと」だけ選択する。あと先考えずに、ひたすら「楽しいこと」だけを選ぶのだ。

「イヤだな〜」と思いながら行動するのは、ほとんど意味がないし、悪い感情を引きずって長引くと、そのロスたるや甚大なものになってしまう。

子どもが、興味あるものが次々と移って、時に脈略のない破茶滅茶な行動になってしまうのを見れば分かる。あの瞬間のほと走るエネルギーこそ、人間が生きていく上での活力そのもので、大人がもっとも忘れてはならない感情なのだ。

こだわりを手放す
「好きなこと」に思いっきりフォーカス

「〜でなければならない」(こだわり)を見直す。気持ち良くないなら手放す。

歳をとってかしこまってくると、もっともらしい〝規範〟みたいなものに縛られることがある。よく言えば「分別がついた」であり、ただ頑固になっただけかも知れない。

ただ、分別も、自分なりの思想も大切だけれど、そういったこだわりには、賞味期限があることも認識しておいた方が良い。

自分がこだわっていることで、自分自身が良い気持ちになっているのなら問題ない。まだ賞味期限は切れていない証拠だ。しかし、それがあることで苦しくなっているのなら、自分の首を絞めていることになる。早く手放して楽になるべきだろう。

一つ一つ紙に書き出してみて、本当に自分を高めてくれているこだわりなのかどうか?この先も大切にすべきものなのかどうか?を見極めてみることも大切。まずは身軽にならないと、幸せになるための動きに支障が出るではないか。

大嘘
「お金持ちマインド」についても書いてます

気分が落ち込んだ時に試してみた

この中でも、「楽しいことだけを選択する」を実際にやってみた。

例えばなにかイライラする時。ムシャクシャして何もやる気が起きないし、嫌なことを思い出して、それが頭を何回も巡る。腰が重過ぎて何も出来ないので、そんな自分にますますイライラする。

そんな最悪事態には、大抵時間に解決してもらう方法しか無かった。でも、もっと積極的なやり方でないと、ヘタをすると数日間も立ち直れない。

頭で理屈をこねる前に、とにかく楽しそうなことを即決で行動に移してみた。

ホントのところそんなことしてる場合ではないのに、「BigMac食べに行こ」とか、「Apple Store行こ」とか、「海、見に行こ」って具合。

そうすると、不思議なことにタスクが消化できた訳ではないのに、随分と気分が軽くなることに気付いた。自信が取り戻せると言うか、次に踏み出すための準備が出来た、整ったということだと思う。

まとめ
章ごとに「まとめ」があってわかりやすい

まとめ

好物のおかずを先に食べるか、残しておいて後で楽しむかは意見の分かれるところだろう。

ご褒美目当てに、今の苦しみを受け入れるというのは、心理学的にも間違ってはいない筈だ。

しかし、「ガンバレ!ガンバレ!」だけでは疲弊するし、そもそも自分はそんなに頑張れない人かも知れない。

その時々の状況に合わせて、もっとゆる〜く好きなことにヒョイヒョイと飛び移って、何の問題があろう?

「好きなことをして生きる」を目指すなら、今好きなことをして無くてどうする?意味不明だ。

限りある時間を明るい色に染めたいのなら、まずは今この瞬間を明るく照らす。

普通の人にも出来るし、肩肘張る必要もない。

考えてみれば、そんなごく当たり前のことを、サラッと明るく伝えてくれるすごく読みやすい良書。オススメである。

直島美佳さんのブログ 「わたしたちは、いつだって好きなことをして生きていける。」

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森下昌彦(えむもりさん)

大阪在住50代。妻と1女1男。  長く医療業界に携わったが、軸足を移すことを模索・実行中。 詳しいプロフィールはこちら