年末に、ヨドバシ梅田で風景写真家の方のお話を聞けるイベントがあって、行ってみた。
そのお話の内容は素晴らしく、一瞬の光景を収めるために、ほとんど探検家然とした出立ちで山へ出掛けられるくだりは、もうテレビの「情熱大陸」をも彷彿とさせる感動的なものだった。
それは良いのだが、イベントの主旨はどちらかと言うと、キャノンのミラーレス一眼、EOS Rの宣伝的なもので、その部分は軽く流すつもりだったのが、そうも行かなくて実はちょっと心を揺さぶられているのだ。
固執することは、歩みを止めること
僕が、子供の成長を綺麗に撮っておきたくて一眼レフを買ったのは、もう7〜8年くらい前だろうか。キヤノンのEOS kiss X5という入門機で、中古で買ったものだった。
フラッグシップではないにしても、僕のような素人が使うには十分な性能で、これ以上の完成度を求めるのは酷と言うか、その必要性を感じることも無かった。
ところが、時代が歩みを止めることは絶対に無いのだ、という事実を今になって突き付けられている次第である。
スマホのカメラが飛躍的にスペックアップして、ミラーレスが台頭してくると、これまでの一眼レフを頂点としたカメラ界のヒエラルキーは、完全に過去のものとなりつつある。キヤノンとニコンの2大巨塔が、フルサイズのミラーレス一眼を投入したことは、この流れが決して後戻りしないということを示す出来事なのだ。
要するに「習慣は変わりにくい」ってこと
でも、僕はついこの間まで全然「ピン」と来ていなかった。
つまり、
- これまでのEFマウントの方が超王道に決まっている。だからこれからも廃れない。
- 操作に慣れている。
- 上級者っぽく見える。
という、なんとも根拠に乏しい理由を引っ付けて、つまりは〝変わらない〟ことを選択してしまっていた。
僕のような人は、マーケティングの世界では「レイトマジョリティー」に分類されるらしい。
新製品が出た時に、どれだけ早くそれに飛びつくか?を5段階で表すのだが、その中の下から2番目、なかなか食指が動かない人のことを言う。
「堅実」といえば聞こえが良いが、「変わらない」は時代に取り残されることを意味するのだ。
もちろん、何でもかんでも新製品を買おう、と言っているのでは無い。新しい事に興味がなくは無いくせに、とにかく様子を見てみよう、という姿勢・思想が染みついていることが問題だと感じているのである。
今からでも「イノベーター」になれる
50を超えると、体力的な衰えを自覚する場面が確実に増える。そんなことは当たり前だし、自覚できているならそれ相応の対策をすれば良い。
でも、好奇心が無くなるとかチャレンジ精神が萎えてくるとかは、自覚しにくい。
スケールダウンしていきそうな「自分が関わる世界」を、思いっきりストレッチして、負荷を掛けていくことを継続する。
そう、どんどん首を突っ込んでいくことを課して、「ぶっ飛んだおじさん」のイメージを持っていただけたら、それは嬉しいことだ。
もう次はEOS Rを買っているだろう。そう決めたんだから、そうなっているに違いない。
森下昌彦(えむもりさん)
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