東京オリンピックが延期になった夏として、2020年が記憶されることになった。
実は、もう少しポジティブで明るく、「新しい歴史が開いた」という意味では、こっちの方がインパクトに勝るのでは?と思える出来事が、やはりこの夏に起きている。
Canon EOS R5 と R6 の発売である。
EOS R5 R6が次の時代の扉を開いた
R5の発売日が7/30、R6が8/27ということだが、どちらの機種もどうやら圧倒的に供給不足のようだ。
この両機種の、何がすごい?って言われても、的確に答えられるほどの知識もないのが歯痒いのだが、とにかくオートフォーカスの精度が飛び抜けていることくらいは、素人にでも分かる。分かるだけじゃなくて、その素人にでも扱える操作性の高さが、これまた驚異的なのだ。
つまり、びっくりするほどの高性能が、誰にでも堪能できてしまうという形で降臨した。
「高性能」の高性能ぶりと、「誰にでも堪能できる」の簡易さが、共に異次元の領域であることが、新時代を告げるファンファーレのように響いている。
ファーストコンタクト
実機に触れられるのは、まずショールームだろうということで、「Canonデジタルハウス大阪」へ行ってみた。
https://cweb.canon.jp/showroom/personal/osaka/
「なんぼ何でもR5は高すぎやろ!」という僕のお目当ては、もちろんR6である。
発売前からネット上で騒がれていた、「R6は外観のクオリティが低い?」というのを、我が目で検証するのが大きな目的。
結論をひと言で…。
「全く問題無し!」
30万円もするカメラが、「安っぽい」筈がないのは当たり前。筐体はポリカーボネート製らしいが、金属っぽい質感も持っていて、高級感さえある。それに加えてのコンパクトさと軽さに、文句などある訳がない。
ゲームチェンジャー
EOSシリーズのフラッグシップである「1DX markⅢ」と同等のAF性能を持ったカメラが、本家本元の1/3の値段で買えることも凄いが、ミラーレス機に傾きかけていた時代の流れを完璧に決定付け、一眼レフに〝終わり〟を宣告する歴史的プロダクトとなった点が、単なる新製品とははっきりと違う。
アナログレコードがCDになり、VHSがDVDにとって替わったのと同じだ。ゲームチェンジャーが現れては、太刀打ち出来ようはずもない。
僕はイノベーターではないと自覚するし、物欲が強いとも思わない。
しかし、今回のR6については、揺れている。僕の場合、「揺れている」とは「欲しくて仕方ない」と同義だ。
決心がついたも同然?
これがもし手元にあったら、何を撮って誰に幸せを届けられるのか?いま僕は、その一点に絞って思考を巡らせている。
ポケットにあるお金で「ホィ」っと買える額じゃないのは明らか。
でもそれ以上のベネフィットがもたらされるなら、否定すべきではない。
稲盛さんばりに、「私欲のためじゃないの?」としつこく問い直す毎日で、頭から離れないのだ。
森下昌彦(えむもりさん)
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