小豆島歴over半世紀となった僕でも、行ったことのない場所はいっぱいある。
その中のひとつ、第77番札所「笠ヶ滝寺。」ひとことで言えば、「崖の上のお寺」なのだが、そのロッククライミングさながらのお参りに、十分納得の価値あり、と確信した。
早速紹介する。
初めて行ったよ「笠ヶ滝」
僕は歴史に詳しいわけでも、信心深いわけでも何でもないが、いわゆる神社仏閣を訪ね歩くのは好きだ。
超鈍感な僕でも、長い歴史の上に立つ場所の空気に心洗われ、気持ちが落ち着く、またそれを新たにするという感覚が、腹の底から湧き上がってくることくらいは分かる。
新年に際し、煩悩を捨てて、感謝する姿勢を示すくらいのことはしておこう。
土庄から寒霞渓方面へ車を走らせ、小豆島大観音の手前、坂道を上がる途中の左手に、「ナガタホール」という葬儀場があるが、そこから入るとすぐ。看板を頼りに、どんどん登って欲しい。道幅が狭くなってもお構いなし。急坂には気をつけて。ここでも、カーナビの恩恵に浴するのだ。
良かったと思うポイント
行ってみて、おすすめポイントが4つあった。
ひとつ目。世の中との「隔離感」が素晴らしい。
もともと田舎とはいうものの、街中からそう離れているわけではない。それでも、とんでもない山奥に来た感じは十分味わえる。日常を離れることは、それだけで気持ちを浄化してくれる作用がある。
ふたつ目。軽いトレーニングで頭もスッキリ。
一応「参道」ではあるが、「道」とは言い難い。急な崖に鎖が張ってあるだけだ。高齢者にははっきり言っておこう。「無理だ。」
僕は駐車場で、ちょっとゴツめのトレッキングシューズに履き替えた。長い距離ではないが、サバイバル感がそそる。何でもいいが、達成した時に、人は少しだけ素直さが表に出るんだなぁ、と実感する。スッキリ。
3つ目。威圧される。
宇宙が壮大であることを見せつけられた時、否応無く素直にならざるを得ない感覚があると思うが、あれである。「こんなモンどうやって作った?」と感じるだけで、何故か「頑張ろう!」に繋がる。それだけで、来た意味がある。
4つ目。受け入れてもらえる。
崖を登った先に、いよいよ本堂が現れるのだが、中に入るためには、そこから洞窟を潜らなくてはならない。洞窟と建物が一体になっている、何とも不思議な造り。
中は真っ暗だが、すぐに目が慣れて何とかなる。途中ふたつに枝分かれして行き止りになる方には、奥に仏様が鎮座なさっている。
薄明かりの中、相対して手を合わさせていただくだけで、ここへ来た甲斐があった、と強く思う。「自信がみなぎる」という感じ。
自分はこれでいいんだ。自分自身を受け入れることが出来る。
まとめ
観光名所としての小豆島は色々な面を持ち合わせているわけだが、「神様がたくさんいらっしゃる島」であることも、その重要な要素のひとつだろう。
映画「八日目の蝉」での、「この島には神様がたくさんおるんよ」は、名ゼリフだと思っているが、それを感じるには最適の場所だ。
あまりメジャーなスポットではないかも知れないが、澄んだ気持ちになりたい方には、まず一押し大本命である。ぜひ足を伸ばしていただきたい。
森下昌彦(えむもりさん)
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