「お金がキライ」という方は、殆ど居ないだろう。でも、「数字がキライ」という方なら、多い筈だ。僕もその一人である。
異性に興味はあるけれど恋愛はイヤとか、運動は好きだけれど汗をかくのはイヤ、が理解不能なように、お金と数字はワンセットなので、お金が好きなら、ちゃんと相手を理解しようとするのが賢明だろう。
そもそも、よく知りもしない相手を好きになること自体が、とても不思議なことではある。
最初に、日経新聞の広告で目にしたこの本だが、自分とは少し離れた世界の話でありながらも、日常のお金との向き合い方に、大きな気づきを与えてくれること必至だ。
早速紹介しよう。
数字は人格
プロローグには、海外出張中に倒れた幹部社員を日本へ連れ帰るために、1,500万円を「ポンっ」と出して飛行機をチャーターした社長のことが紹介されている。
社員数28人の小さな会社である。とても大きい額だ。
この社長は、社員のことを深く思い慈愛に溢れた、いわゆる「人格者」であったから、こんなことが出来たのか?
それを否定はしない。しかし、そんなことよりも「キャッシュを持っていたから」出来たのだ。
社長の人格は現金の上にある
ただ「お金持ち」なだけで、冷酷非道なヤツはいる。それは置いておいて、特にビジネスの世界では、キャッシュが無いと「人格者」にはなれない。いざという時、手を差し伸べることも出来なければ、安定的成長のための投資すら出来ないのだから、とても「危うい人」と言える。
懐に現金を持つ人だけが、会社を潰さずに済むし、社員に安心を与えることができる、といえる。これこそがビジネス上の「とても信頼度の高い人」、イコール「人格者」である。
僕は、現時点で経営者ではないが、家族のリーダーだ。その意味で、いっぱしの人格者である必要がある。
ところが、お金に疎い。まず、その仕組みに疎い。特にそれについて勉強しようともしていない。
そりゃあ、縁遠くなって当然だ。
そこで、まず簡単に出来そうなところから手を付けることに決めた。
給料明細を隅々まで見る
どうせ毎月変わり無しなので、開封もせずに置きっ放しになっている。変わり無しは、その通りなのだが、まあ見るくらいはしよう。意識付けにはなるだろう。
財布の中身に敏感になる
「足りなくなればATMへ行けば良い」くらいになっているので、お金の出入りに鈍感になっている。
妹に、僕の金銭感覚について「どんぶり勘定やなぁ」と言われたことがある。人の評価というのは、大抵マトを得ているものだ。「何っ!?」とかいちいち憤慨せずに聞き入れてみることも大切だろう。
見通しを立てる
いつまでにどれくらいの規模でお金を回していたいか?の目標がボヤけている。そこから逆算して直近の行動を調整しないと、絶対に近づくことは出来ない。
あまりに目標が高すぎては、瞬殺されてしまうので、「ちょい難しい」くらいで…。
このへんのことについては、妻と共有した方が良いだろうとも思っている。
高らかに宣言した方が、実現性は高くなるはずだと考えるからだ。
勉強する
過去には、〝会社の数字に強くなる〟とか、〝財務諸表〟がどうとか、その手の本を買ったこともあるが、簡単に挫折した記憶がある。
これを機会に、また引っ張り出してこようと思う。現時点での生活に直結するものではないが、視野を広げることは、同時に高い視座を持つことでもある。
人生を好転させる第一歩なのだ。
まとめ
言われるまでもなく当たり前なのだが、「誰だってやることをやれば、その道のエキスパート」なのだ。つまり、たとえ上手くいかなくても、それは「能力不足ではなく、回数不足」でしかない。
まったくもって、耳が痛い。
なりたい自分の姿を見定めて、そこへ一歩ずつ近く。正しい行動を継続する。具体的に、何回その行動を起こしたかに着目すべきで、早い段階で成果を求めては重くなるだろう。
運がない訳でも、世の中が悪い訳でもない。
いつも、最初に自分を見限ってしまうのは、自分自身なのだ。
森下昌彦(えむもりさん)
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