人生を変える、少しでも前に進めたい。そう思うなら、何らかの行動を起こさなければならない。「1ミリでも動く」。
頭では当然分かっている。それでも「重い腰が上がらない」という方は多いように感じる。
「何もしない」と、「1ミリでも動いた」の間にある、何万倍もの差を埋める、テクニックや考え方を紹介したこの本。やる気が湧くこと間違いなしである。
早速紹介しよう。
今日から行動力を一気に高める本
表紙を一枚めくったところに、いきなり書いてあるではないか。
「行動力」の差がそのまま「人生」の差になる!
その通りだ。分かってはいる。しかし、それが伴わないから、こんな本を読んだりする。しかも〝何十冊も〟である。
動けないのは、ある意味当然
でも大丈夫。「はじめに」に書いてあるように、多くの人は、何か行動を起こそうとした時に、考えるだけで満足して完結してしまう。
実際に行動していなくても、考えただけで、まるでその行動をしたかのように錯覚してしまう。脳の仕組み上、そうなっているのだから仕方ない。
一旦満足して、その気になったのだから、「それで十分」というわけだ。わざわざリアルに行動して、もし失敗でもしてしまっては元も子もない。「ちょっと怖いから、ここで終了」とした方が、圧倒的に楽である。
そうか、「動けない」は自分だけではない。大部分の「動かない人」から、ごく一部の「動く人」に移行すれば良いだけなのだ。
自分だけが特別に劣っているわけではなさそうだ。その視点に立った方が、卑屈にならずに済むし、物怖じすることもない。
観客は自分自身
この本の帯に書かれている、「どうすれば人が驚くか?」の一文に「ピンっ」ときたのが、即買いした理由の1つなのだが、しかし、より良い行動を引き出すためには、「どうすれば自分が驚くか?」にフォーカスすべきだと思う。つまり〝自己満足〟の領域である。
自分が、「自分の人生の最良の観客」であることが大切なのだ。
映画の主人公に感情移入して、ワクワクしてドキドキして「頑張れ!」と思わず声をあげてしまう。あのスタンスを、自分に向けて保ってみる。自分の人生が、エネルギッシュでエキサイティングなものであって欲しいと、世界で一番強く願っているのは、紛れもなく自分自身あるべきだ。
「成功」って何?
金銭的な成功も、名誉も欲しい。そこを否定しては、偽善者になってしまう。でも、それだけを目標にしていては、モチベーションは続かない。
僕は、金銭的な成功なんか得てはいないが、その更に上には、決して尽きない内発的な動機付けが横たわっていることは、容易に想像できる。
求道者のように、「極める」ことにのみ集中することが、とんでもない未踏の地へ辿り着く、唯一の道である。
自分自身の成長、自己実現に向けての欲求である。
笑われてもいい
最初から用意されたレールを、ただ進むだけが人生ではない。言うまでもなく、人生は「創造」するものなのだ。
その意味で、その主である自分は、紛れもない「クリエーター」であるべきで、決して受動的立場に留まってはいけない。
自分の境遇にクレームばかりつけて、状況を打開することを放棄しては、一歩も進めない。その愚かさに、一刻も早く気付くべきだ。
結局、「バカと言われてもいい、笑われてもいい」という度胸が試されている。覚悟はあるか?という問題なのである。
失敗できない体質
自分で言うのも気が引けるが、僕はその昔、結構聞き分けの良い子であったように思う。どちらかと言うと優等生タイプで、大人にとっては扱いやすい子であったに違いない。
でも、今になってみれば、そんなことに価値があったとは思えない。素直に言うことを聞くだけでは、枠を飛び出す勇気は育まれない。
失敗するかも知れない危険ゾーンに出向くよりは、枠の中で頑張ることを優先する。「行動力」なんか、極論すれば必要がない世界である。
今の僕の「始動の遅さ」も、本を正せばそんなところに行き着く、と思っている。
まとめ
右から左にものを流すだけでなく、そこに「価値」を載せることを意識しないといけない。新しいものを生み出すもとになる「ひらめき」こそが、これからの時代には必要だ。
そこには、当然失敗が付きまとう。
でも、そこで引き下がらない。笑われてもいいから、道を極めることに精を出す。その全てのシーンを、観客として見届ける。
そう、自分の人生の舵は、いつでも自らの手の中にのみある、そんな当たり前のことを忘れてはならない。
時々読み返して、くじけそうな時の発奮材料にしたい。そんな勇気をくれる本である。
森下昌彦(えむもりさん)
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