親として最大の務めは、「良い学校に入れて、大企業に就職させること」。
そんな時代もあったかも知れないが、既に崩壊したか、あるいは崩壊しつつあると言ってよいだろう。
知識は必要だが、そこは機械がやってくれる分野であることをわきまえた方が良い。そんな勝算の全くないところに挑むよりも、〝感動しやすい体質づくり〟を手助けすることが、これからの親世代の目指すところだと考えている。
中学受験
娘がこの春から中学生になるが、同級生の何人かは私立中学に行くそうだ。
そういったご家庭では、当然大学やその先まで見据えて、既に大きく投資なさっている。
勉強はよくできる方が良い。もちろん僕だってそう思っている。
それは、良質な経験を積むチャンスが増える、と思うからだ。決して、「良い学校に行けたら将来が安泰だから…」と思っている訳ではない。
ゼロから「1」を生む力
どれだけ地頭が良くたって、AIには絶対に敵わない。それなら人間がAIに勝るところで勝負しようではないか。それは何処か?もちろん、「人間は感動できる」という部分である。
その感動の源こそが、「良質な経験」なのである。
感動でしか動かないのが人間
人が変わる時、成長する時というのは、結局環境と習慣が変わる時である。環境も習慣も、ココロが変わるからこそ動くのだ。
良い経験をして、ココロに火が付いた時に、成長出来るのである。それこそが人生の醍醐味と言っても過言ではない。いっぱい感動したモン勝ちなのだ。
AIは感動しないので、新しいものを生み出す力は無い。何も無いところから「1」を生み出す、人間特有の能力を最大限発揮するには、良い経験をして感動しまくるに尽きる。
本物を体験させる
それには、出来るだけ本物を体験させるようにすれば良い、と考える訳だが、「ホンモノ」って一体何なのだろうか?
なかなかに悩ましいが、考えてみた。
- リアルに徹する。「画面を通さない」
- 子供のアウトプットを引き出す
- チャレンジを褒める
ディスプレーはフィルターである。4Kだろうが8Kだろうが、あくまでも「本物に近い」であって、空気の温かさや波動までは伝えきれない。「ワクワク」や「ドキドキ」こそ、最も大切にすべきだ。
次に、そのココロの動きを表現させる。満面の笑みを浮かべる、大声で笑う、また拙い言葉で「楽しい」を伝えてくる子供を、思いっきり大きな器で受け止める。親の役目は縛ることでは無いのだ。弾けるココロを受け止めるだけで良い。
そして、何よりも「チャレンジした」こと、そのこと自体を褒めよう。結果はあまり重要では無い。やって出来た、やって出来なかった、その全てが経験なのだ。全部が、貴重で良い経験に違いないのだから…。
まとめ
正月に子供たちと凧揚げをしたのだが、うちの子は2人とも、なんと「凧揚げ初体験」だった。
今の都会の子はそんなものかと、びっくりしたのだが、それ故その感動たるや凄まじいもので、寒い中でもなかなか止めようとしなかった。
「ホンモノ」と一口に言っても、制約も多いのが実情だが、何とか感動の芽を摘むこと無く、親自身が面白いことに貪欲で、フットワークの軽いところを見せ付けてやりたい。
その思いを失わないことだけが頼りの、これからも試行錯誤が長く続きそうな子育てである。
森下昌彦(えむもりさん)
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