大阪の摂津市に、外国人労働者の研修施設が計画されていて、地元住民から反対の声が上がっている、というニュースがあった。
反対理由はいろいろあるだろうが、要はこれ、単なる〝人種差別〟なのだ。
世の中、綺麗事だけでないことは分かる。根強い差別意識があることも知っている。でも、こんなことを言っている時点で、ほぼ「負け確定」であろう。
異分子は排除
東京の南青山でも、一等地なのに児童相談所を建てるだの建てないだの、揉めていたようだが、根は同じである。「差別」だ。
近くに自分とは違う人が居ることに、ただ訳もなく不安感を覚えるって、それあまりにも頭固すぎじゃないか?
まるで、「自分=正義」、「他人(外国人)=犯罪者」である。
「お前」呼ばわり
住民説明会を開くお役所も、気の毒なことこの上ない。
「お前らが●×?▽☆!( *`ω´)」って、およそ社会人とは思えない罵声の嵐である。クレーマー的な人が勇んで出掛ける場とはいえ、「子供に聞かせられない」と、いたって冷静な意見の参加者の声がなければ、目も当てられない。
その子供たちは、すでに一歩も二歩も先のグローバルな世界を生きていることを、この親たちは知っているのだろうか?
うちの子の通う小学校でも、ごく普通の公立校だが、ハーフの子なんて当たり前にゴロゴロ居る。障がいのある子とかも含めて、別になんの隔たりもない。
アンタこそ「相手にされない人」
あえて言わせてもらう。特に年配の人に多いと感じるが、「中国人は汚ない、行儀が悪い」と結構な大声で発信する人が居る。〝インバウンド大盛況〟が続く大阪であるがゆえ、よく目立つ。
しかし、我々が相手にすべきは、一部の「汚くて行儀が悪い中国人」ではない。大部分の普通でまともな中国人、インド人、その他新興国の人たち、世界中の優れた人たちなのだ。
これでは、自分が「相手にしてやらないよ」と思っているつもりが、実は全く逆で、全世界から「お呼びじゃない!」と突きつけられるだろう。目に見えている。
もっと言わせてもらおう。アンタはそれでもいい。オワコンだから。
でも子供は違う。違いを受け入れた上での〝誇り〟を、正しく伝えていけるかどうか、親世代の最大の課題のひとつだと思う。
W杯のサポーター
W杯で日本のサポーターがスタンドを綺麗に掃除して帰った、とか絶賛されることがある。
でも、当の我々日本人は、「すべての日本人がそうである訳じゃない」と知っている。
それなのに、日本メディアは「日本は世界から賞賛されている、誇らしい」とばかり伝えて、「こんな行儀の良い人のことを見習いましょう」の声は小さい。
最初から立ち位置が、やや上気味なのだ。なんとも気持ち悪い。
森下昌彦(えむもりさん)
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