幸せへの指南書「人生うまくいく人の感情リセット術」を読んだ ~樺沢先生が豪語する「悩みの9割は解決する」は本当だった~

「はじめに」の1行目にいきなり書いてある。

「世の中の悩みの9割は本書で解決します」って、そりゃ随分とぶち上げるなぁ、ってのが正直なところ。悩みの原因がそんなに簡単に解消されるなら、誰だって困らないではないか。言い過ぎでしょ?

しかし、それが出来ると断言できるのは、悩みが「ネガティブな感情」に引きずられて起こっていることだから。

つまり、原因となる事実そのものを消し去ろうと不毛な努力をするのではなく、「ネガティブな感情」をリセットすることのみに力を注ぐ。感情はあくまでも「自分発」なので、コントロール可能な筈。

そして、さらに進んで「ポジティブな感情」にまで昇華できれば、もうそこは新しい人生のスタート地点。ロケットスタートの保障付きである。

「人生うまくいく人の感情リセット術」を読んだ

何か嫌なことがあったり、傷つく言葉を浴びせられたとしよう。僕の場合だが、そんな時は、一日中何度もクヨクヨ落ち込んでいる。そんな「引きずり癖」の方は多いと思う。

1日をフイしてしまう癖を、手放さないのは馬鹿らしいと分かってはいるが、上手くいなすにはどうすれば良いのだろう?

悩みの9割は解決

どんな悩みもサッと消す

樺沢先生の圧倒的知識量をベースにしたメソッドは、どれも確かな科学的根拠を伴った、再現性の極めて高いものであると言える。

従って、様々なノウハウが満載で、隅々まで読み応えたっぷりなのだが、短絡的に「すぐ効果が出るヤツ」を試してみたくなるのもまた確か。

「悩みをサッと消したい」なら、第5章の中にその方法が集約されている。

  1. 相談する
  2. 書く
  3. 仲間を大事に
  4. 笑う・泣く
  5. 受け入れる
  6. 逃げる

である。

サッと消してしまえ

相談する

自殺する人の6割は、そこへ至るまでに誰にも相談することなく、たった一人で悩んでいるという。

誰かに苦しさを「話す」だけで、幾分か楽になることが分かる。「話さないからますます苦しい」の悪循環から、すぐに飛び出そう。「聴いてくれる人」との関係を、常に良好に保っておくことも大切かも…。

書く

「日記療養」というのがあるらしい。毎日の行動や気持ちを書くことで、自己洞察と内省を深めて、客観視することが出来るようになる。深刻でどうしようもないと思えた悩み事が、「大したことない」と思えるようになってくる、という訳だ。ただし、ネガティブな事柄については、控えめにアウトプットした方が良さそうだ、ということを付け加えておこう。

仲間を大事に

苦しいことを一人でやると、さらに苦しさが増す。仲間がいた方が、かなり紛らわすことが出来るのは、誰もが経験上分かっている。

僕の場合、最近〝ひとり豆イチ〟と〝グループ豆イチ〟で、疲労感に格段の差があることを体験したばかりだ。

一瞬で気持ちを変えられたら最強

笑う・泣く

「楽しいから笑うのではない。笑うから楽しのだ。」心理学の世界では、「感情よりも行動が先に生じている」が常識だそうだ。楽しくなりたいのなら、先に笑ってしまえば良い。

また、感情を押し殺すのが日本人の美徳とされがちだが、封じ込めるのはストレスの元になる。せめて感動的な映画を見たときくらいは、泣きたいだけ泣こう。リラックスの神経が優位になり、感情リセット効果絶大である。

受け入れる

末期ガンを宣告されたとしよう。

あらゆる方法を駆使して、「徹底的に闘うぞ~!」という方と、「しょうがない。残りの人生を謳歌して悔いのないようにしよう」とする方がいる。

結果的にどちらが長生きするだろうか?

最先端の治療を施しながら闘うよりも、達観して受け入れる方が長生きする、と聞けば意外な感じがするかも知れない。

「上手に諦める」のは、出来ないことに歯向かって心身とも疲弊するのとは対極の、「ポジティブな選択」であることを認識すべきだろう。究極、「病気は人生のパートナー」とまで言えるようになれば、ストレスなどとは完全に関わりを断つことが出来るだろう。

〝非の打ち所のない嫁〟なんか居る筈がないが、「不完全でも人生のパートナー」と思うことが出来ると、グッと愛おしく思える。それと同じだ。

逃げる

究極の戦術は、「逃げる」である。

いつまでもこの苦境が続くと思うと絶望しかないが、考えてもみよう、絶対に逃げ出せない場所なんかあるだろうか?

自分が勝手に「逃げ出せない」と決めているに過ぎない。そんなケースが多いことに気づくべきだ。

また、逃げる選択もあることに気づくだけで、視野が広がる。俯瞰できるようになると、「欠点だらけ」に見えたところにも「良いところ」が少しはあることが分かったりすることもある。

脳科学で「苦しい」を「楽しい」に

まとめ

いくら確実に効果があるノウハウであっても、実践できないのであれば、それは無いに等しい。

樺沢先生の本には、少し読んだだけで「これ最高!」と思う事はたくさん書いてある。それらをどんどん頭に刷り込んで、「勝手に出てきた」まで持ち込むことができれば最強だろう。

妻とたまに喧嘩して、あとから「しまった(~_~;)」と思うことが減ったように思う。喧嘩の最中に「ここが要注意ポイント!」と、冷静にコントロール出来ることもある。

道半ばではあるが、もっとこの状態を押し進めて、「人生うまくいく人」へ確実に近づいていくのだ。

そう、結局のところ「人生うまくいく」かどうかは、自分の行動と感情に掛かっている。

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森下昌彦(えむもりさん)

大阪在住50代。妻と1女1男。  長く医療業界に携わったが、軸足を移すことを模索・実行中。 詳しいプロフィールはこちら