普段使いのママチャリが「キーキー」と異音を発するようになった。「そのうち直る」と思っていたら、どんどん酷くなって、盛大な金切り声へと変化してきた。異常事態発生中…。
かなり恥ずかしくて、スピードが出せない。ゆっくり走っても音の大きさはさほど変わらないが、「近隣の皆様、ご迷惑をおかけしております…」の意思表示をしないと怒られそうな気もする。
何とかしなきゃあ…。
ママチャリが「キーキー」鳴り出した時の対処法
以前チェーンが緩んで「カシャカシャ」鳴ったことがある。それから随分経って、またチェーンが伸びていることが確認できた。でも、今回は関係なさそう。ペダルを踏む足を止めて、空走状態にしても「キーキー」は変わらないのだ。
それと、大雨の後は「キーキー」が幾分マシになることに気付いた。
それらの症状から、「ハブのベアリングのグリスが切れている」という仮説にたどり着いた。
ペダルを止めた空走状態の時に動いているのは、ホイール。水に濡れて一時的に音がしなくなるのは、ハブのベアリングの中に入り込んだ水で、金属同士の接触が和らげられるから。
選択肢は3つ
ここで思いついた修理方法は次の3つ。
- バラして整備してもらう
- 自分でバラす
- 5-56でごまかす
言うまでもないが、分解して中を綺麗に掃除して、再びグリスを塗り直すのが一番良い。1と2がそれに当たる。
1は最も信頼性が高いが、それなりに高くつく。「そんな大層なことせずに、新しいのを買った方が安くつくよ」なんて言われそうだ。
2は楽しくて勉強にもなるだろうが、何かと工具が必要だし、時間的な見通しが全く立たない。ある意味、「コスパ無視」の無謀策ではある。
損得抜きの〝楽しさ〟重視を信条にする身としては、迷わず2に飛びつくべきだが、明日も通勤に使うことを思うと、ここは涙を飲んで3で行くしかない。
ホームセンターで売っている、「KURE5-56」にご登場いただこう。
あっという間に完了
細~いノズルを使って、ベアリングを収めるケースの隙間を狙う。其処へ「シューっ」と勢いよく吹き付けるだけ。あっという間に直った。
でも、「直った」とはいえ、これでは不十分なのだ。
中は汚れたままだし、またすぐに症状がぶり返すだろう。パーツクリーナーで洗浄して、グリスをたっぷり塗り込めば、雨水や汚れの侵入を防げる。ホントは其処まですべきなのに…。
大切にする気持ちが欠けると、貧しくなる
これが、何十万もするロードバイクなら、しっかりと時間もお金も掛けるだろう。
中古なら1万円もしないママチャリが、ほとんど使い捨てのように扱われるのは、ある程度仕方ない。普段雨ざらしにしているケースが圧倒的だろうから、売る方も当然安さ重視のラインナップを揃える。
こんなのでエエのやろか?一連の行為に、「豊かさ」が一切感じられない。安いママチャリだから「貧しい」のではなく、ココロが乾いているところに「幸せ」が近寄ってきそうな気がしないところが寂しい。
「選ぶ」
自分の価値観に沿った生き方を「選ぶ」のだ。それが誰のものでもない、自分の人生に幸せを呼び込んでくる方法の1つだ。
「愛情を持って接する。人にもモノにも…」。それを選ぶためにも、今の自分は少し追い立てられている、という自覚を持つべきだろう。余裕がないと「選ぶ」も何もない。
安モンでボロボロのママチャリだが、バラバラにして整備し直せば、うちの子供が大きくなった時に乗れるだろうか?
そんな空想をする時、穏やかで幸せな気分になる自分の感情に、どこまでも素直でありたい。
森下昌彦(えむもりさん)
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