「前田裕二」「SHOWROOM」と聞いても、ピンと来ない方も多いと思う。
今や、有名人の域に達した起業家であるが、若き苦労家の半生に、我が身にも参考になることがたくさんある。
「さすが!」と唸ってしまうと同時に、自分の恥ずかしさも隠せない。新しい一歩を踏み出す時に、何度も読み返してみれば、大きな後押しになること間違いない。
早速紹介しよう。
「人生の勝算」で未来を見据えて進む決心をした
生まれながらの境遇や才能に、どれほどの意味があるのだろう。どうしようもないことを、いつまでも悔やんで疲弊することは、それをただの言い訳にしているに過ぎない。かのアドラーもそう言っているが、全くその通りだと思う。
今、この瞬間の延長に未来があるのであって、実は、過去はあくまでも〝過ぎ去ってしまったもの〟。それ以上ではない。
人は絆にお金を払う
さて、現代の人は何にお金を払っているのだろうか?
必要最小限のものが手にできない不便さは、通常では起き得ないし、むしろ溢れている。
そこで登場するのが、前田さんの「スナック理論」である。
飛び抜けたサービスがあるようには見えない田舎のスナックが、潰れずに今でも生き伸びていけるのは、人との繋がりが強固なコミュニティが、スナックの周りに形成されているからだ。
なるほど、僕もお酒を飲み始めた頃は、まだカラオケスナック全盛で、カラオケボックスはごく少数だった。
最初は先輩に連れて行ってもらったお店に、やがて自分たちだけでも行くようになり、カウンターに隣り合わせたオッチャンとも、ワイワイやりながら飲んだ。
スナックくらい、他にいくらでもあった。でも、お店のマスターやお客さんと繋がりができたので、他へ行く選択肢は無かった。
昭和の夜の街のひとつの光景に過ぎないが、絆にお金を払っていたのだ。
今でもそれは生きている。ストーリーがあって、自分にも関わりがあれば、「ITだVRだ」の現代でも、真の繋がりは意味を成す。
要は、積極的に関わっていった方が良いよ、って話。
さらけ出して、相手の感情に引っかかる
SNS上で「ゆる~く」繋がっているのも悪くはないが、そこから「絆」へ昇華させようにも、相手が勝手に心を開いてくれることなんか、そうは起きない。
相手に期待する前に、自分が変わらないとどうしようもないのは、誰もが知るところだろう。
自分をさらけ出して、認めてもらわないと始まらない。素姓もよく分からない人に近付いていくなんてことは、普通はない。自分に置き換えてみれば、すぐ分かる。
隠さず、かっこ悪いことも晒して、時にバカをやるのもよし。いつまでも「なんだかよく分からない人」では、相手の感情に引っかかることは永遠にない。
集合写真で、真ん中の最前列が取れないのなら、たとえ後ろでも、面白い顔をしたり、オーバーアクションで目立ってみよう、ってこと。例えが分かりにくいか…?
当たり前のことを徹底的にやり続ける
寝る間を惜しんで働き続けることが美徳だとは思わないが、「やる時はやる!」が必要なこともある。それくらいのマインドがあった方が、神さまが目を掛けてくれる確率も高まるだろう。
「愚直に営業します」とか「やる気は全てを超越する」とか、今どきの若者にしては随分と〝浪花節〟っぽいが、真理である。頑張ったから結果が出るのだ。
人生のコンパスを持つ
コンパスとはもちろん、方向を指し示すものだ。
「人生をかけて何を実現するのか?」という壮大な問いかけに、常に「こうだ!」と即答できるようにするには、はっきりと目標が定まっていることが必要なのは言うまでもない。
いつもブレずに、自分自身を導いてくれるコンパスが、心の中に備わっているだろうか?
僕は、「小豆島を元気にする」というコンパスを持っている訳だけれども、そこから逆算して、日々の行動をデザインすることを、目標とすることに決めた。
まとめ
前田さんほどの有名起業家でも、やっていることを細分化すると、結構普通と言うか、「手も足も出ません」という状態では無いことが分かる。
要は、どれだけ突き抜けられるかが勝負なんだけれども、その執念みたいなところの差が大きいと感じる。つまり「覚悟」があるかどうか?ということか…。
- 「絆」と呼べるほどの人間関係を築く
- 隠さず晒す
- 徹底的にやる
- コンパスを持つ
僕がもらったモチベーションは、細かく分けて上記の4つ。
この本の裏表紙には「魂が震え、涙が溢れるビジネス書」と書いてる。感動こそ、人を動かすエネルギーそのものだ。
オススメのドキュメンタリー。ぜひ感動して、そして行動して欲しい。
森下昌彦(えむもりさん)
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