成功する人は、自分の枠の外に飛び出すことに、ためらいがない人。
未知の世界に踏み出すのだから、不安はあって当たり前だし、実際失敗することもあるだろう。でも、そのハードルを可能な限り低くして、とにかく行動を起こさないと、現実は1ミリたりとも動かない。
動かない理由なんか探している場合じゃない。どうせそんなものは、すべてただの言い訳なのだ。
脳は屁理屈を捻り出してくるのが得意なので、「出来ない自分」をどんどん正当化してくる。知らないうちに、自分は出来なくて当然だと思い込まされて、ますます腰が重くなるので、あっと言う間に「出来ない自分」が現実化する。
テニスが下手なover50のオッちゃんが、テニスコーチになろうとしても良いのか?
「自分の枠の外に飛び出さない自分」には、もう飽きた。やってみたい事には、何のためらいもなく首を突っ込むバカにならないと、50年以上も続いてきた〝何となく煮え切らない思い〟が覆されるとは考えにくい。
残りの人生を、文字通りの余生として惰性のように生きるのか、理想の方を向いて狂おしくもがくかは、僕の中ではとっくの昔に答えが出ているのだ。
「こうありたい自分」へベクトルを向ける
僕はテニスが好きだ。だから、いっぱいテニスを楽しみたいし、テニスが好きだという人が増えると嬉しい。
小豆島にそういった人が増えると、テニスを通じた地域の活性化に繋がるだろうし、健康な人が多くなるというのは、島が元気になることそのものなのだ。
僕はその旗振り役の一人でありたい。
ただし、問題がある。いや、問題ではないかも知れないが、課題はある。
まず個人的な最重要項目だが、その楽しいテニスを体現し、伝えるための技量が圧倒的に足りない。つまり、テニスが下手なのだ。
ここで、僕のテニスプレーヤーとしての実績を紹介する。「紹介」と言っても、至って簡単である。
「テニススクールに7~8年通ったことがある」、それだけだ。だから、試合実績なんて、ほぼゼロである。
「プレーヤー」と言うには恥かしく、ただの「テニス好きのオッちゃん」の方が身の丈に合っている。
でも、リーダー役を目指すと言うのだから、少しくらい上手くなった方が、何かと都合は良いだろう。
場当たり的でもまず一歩
そんな訳で、前置きが随分長くなってしまったが、テニスコーチの養成講習会に行ってきた。
日本スポーツ協会(旧日本体育協会)の「公認コーチ1」というやつで、要するに一番グレードの低い入門編だが、僕にとっては当然簡単である筈がない。
9月の頭の土日に講習会。これは実技と筆記のテストを含む。あとは何回かレポートを提出して、総合判断されるというもの。
会場は、大阪のテニスのメッカ「靱テニスセンター」。不安だけれど、気分が上がる。
今回受講される方は、全部で12名。二日間で、ほとんどの方とお話しさせていただいたが、テニス部の先生であったりとか、テニスクラブを運営なさっておられる方とか、ほぼ全員が普段からテニスに関わっておられて指導もされている方々。
まあ、正直なところ「場違い感」は甚だしいものがあって、自己紹介で僕が何故この場に居るのかを説明するのが、ちょっとしんどかった。
でも、「地域振興」とか「テニスで盛り上げたい」とか「子供もお年寄りも一緒にテニス」とかいう言葉に、少し反応していただける方もいらっしゃって、少し心強かった。
前も後ろも見ず「今」に集中
僕はテニスのC級審判の資格を保有していたこともあるし、柔道整復師でもあるので、テニスや人の体のことについては、普通の人よりも少しは詳しいと思う。だから、今回も座学についてはすんなりと通過できたつもりだが、実技については予想通りの大苦戦であった。
数時間のオンコートでの講習が、楽しいには違いないものの、他の方の足を引っ張らないようにすることで必死だったように思う。
応援してもらっているという空気は有難かったが、時に「同情されているのでは?」という思いが頭をもたげて、それを抑えて気分を奮い立たせる有様だった。
感想
二日間の講習会を終えて一番感じたこと、それは「自分の枠を踏み出した」という満足感。
確かに迷惑も掛けてしまったが、「やってみたいな、やろうかな、でも不安だからやめよう」の後で後悔する、のネガティブループから抜け出せたことを自己評価したい。
この時点で「不合格かも知れない…」という思いももちろんあったが、すごく冷静に「また挑戦すれば良い」と考えていたし、「その時は必ずできる」という手応えも感じていた。
over50のオッちゃんに、こんなチャンスを与えていただいたことと、たくさんの応援をいただいたことに感謝しなくてはならない。
そしてスポーツ、ことにテニスの楽しみと出会えたことについても、神様に感謝しないといけない。
森下昌彦(えむもりさん)
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