新型コロナの流行によって、悪者扱いされる憂き目にあっているものの一つに「ハンドドライヤー」があろう。
あの「ブウォーん!」という爆音とともに、ウイルスが撒き散らされるから良くない、という理屈らしいが、「それホンマ?」と思っていた方も多いと思う。
やっとハンドドライヤーを使う気になった?
普通、綺麗に洗った直後の手を乾かすものだし、危険な訳ないじゃん!ってのが僕の見解だったけれど、世の中的にはそうはなっていなかった。
どなたが言い出したかは分からないが、それをあまり深く考えもせずに「皆がするからそうなんだろう」と受け入れてしまう〝横並び体質〟には、ほんと同じ日本人ながら辟易する。
そこにやっと風穴を開けるべく、経団連が出したメッセージがこうだ。
「〇〇実施中」と掲げたら、それだけで〝やってる感〟が高まるので、そこで満足してしまうのが、いわゆる「お役所仕事」の良くない面であろう。
一旦ハンドドライヤーが危ないかも?と判断したまでは良いとして、その後の検証がなされることなく結果的に放置された格好だ。
効果のある無しよりも、「対策を講じています」というメッセージを発することが目的化してしまったとも言えなくはない。
あんまり変わってないように見える
それにただ「右ならえ!」する方もする方ではあるが、いつの間にかスタンダードになったことにひとり抗うのは、無駄な労力を消費する以外の意味を持たないのも確か。
だから今は振り返るよりも、経団連の意見をさっさと取り入れて、「早く再稼働しましょうよ」と言いたいところだが、現状では何の変化も見られない。
「誰かが動き出すまでは様子を伺いましょう」という心理が、簡単に透けて見える。同調圧力への耐性が極端に低い。民族性かどうか分からないが、まさに本領発揮である。
方針変更は悪いことじゃない
リーダーが最初に誤った方向性を示してしまったら、そこから軌道修正することはかなり難しいということを示す事象だと思う。
言うことをコロコロ変えるリーダーなんて、確かに「信用ならん!」と受け止められがちではあろう。僕だって勤め先の上司がそんな感じだったら、多分すぐ嫌いになってしまいそうだ。
でもそれを、素早くフィードバック出来ているのだと捉えれば、もしかしたらその上司は「有能」なのかも知れない。傷を最小限に抑えられるだろうし…。
まとめ
ハンドドライヤーを使うか使わないかくらいなら、著しく不便という訳でもないが、ただ言われたままに鵜呑みにしているだけでは、それこそ人生を左右しかない甚大な損失を、背負わされる羽目になることもあろう。
しかもそれに、「気付かないうちに」侵されていく訳で、厄介ではある。
情報を濾し取るフィルターが目詰まりを起こしていないか、自分をじっくり振り返る機会はあるだろうか?
森下昌彦(えむもりさん)
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