夢を掲げる時には、期限を設けるべき。その方が実現可能性が高まる、とはよく言われること。
しかし、その方法では辛く感じることもある。
「期限のない夢は絵に描いた餅」なのか?
「夢」と言うからには、自分にとってそれなりのハードルの高さを伴っているはずだし、その実現のためには相当な時間も労力も必要だろう。
ふと我に返った瞬間、その道のりの険しさに怖気付くこともあるに違いない。さらに、そこに期限が付いていて、仮に進捗状況が思わしくないのなら、その時点でギブアップしてしまう最悪の展開もあり得る。
挫折を前提にする
モチベーションに溢れてメンタルが強靭な方と、僕のような〝へなちょこ〟とはそもそも最初から決定的なスペックの差があると受け入れて、少し違う心持ちで臨ようにしている。
その方法のひとつが、夢の前段階の「今」に、注力するやり方である。
将来の夢の実現が、今の延長上にあることに疑いはない。「今」に変化を起こさなければ、平凡な未来が確約されるのだ。「今」の積み重ねが、大きな変革へと繋がる。
だから、「何年後に〇〇になる」のように、大雑把だが達成出来たかどうかが歴然と分かるものを設定する前に、「あと15分以内にこれを仕上げよう」と、今この瞬間の自分を奮い立たせるのだ。過去でも未来でもない、「今」を連続させる発想である。
しかしその時、僕のようなのんびり屋の頭は、どうしても期限を無視しがちだ。「今一所懸命やっているんだから、それで良いだろ?」って具合だ。時間を掛けたから良い成果が出るとは限らないのは明らかだし、期限が消滅した訳ではないのだから、高速で頭を回転させるに越したことはない。頭も夢も錆び付いてしまう。
スペシャルツール
そこでご登場いただくのが、ストップウォッチである。今時の「時間管理アプリ」とかじゃなくて、単純で古典的なもので十分。
「今日は休みだから、あれもこれも出来るぞぉ〜」と張り切って目覚めたのに気付いたら午後になっていた、の事態を回避するのに、いちいち「あと〇〇分!」の掛け声と共にストップウォッチをスタートするのだ。
時間内に出来れば勿論それで良いが、出来なくても一応そこで終了して次のタスクへ進む。「やり残した…」の無力感よりも、「取り組むことは出来た」の達成感が上回ることの方が多いのが僕のこれまでの実感で、〝やりっ放し〟が山積みになって困ることもないので、不思議である。
まとめ
将来の変化を目指すなら、最大限の力を今に注ぎ込まなければならない。かと言ってガチガチに肩肘張っても疲れるだけで続かないだろう。
そんな時、ごく簡単に「あと15分」とストップウォッチをスタートさせる。掛け声と共に頭の高速回転が起動する回路を形成してしまえばこっちのもの。大きな夢の達成を、必ずしも常に視野に捉える必要はなく、「気付いたら踏み入れていた」も可能なのでは?と信じている。
森下昌彦(えむもりさん)
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