娘が通う小学校には、親が子供の欠席を連絡するための専用アドレスがあるらしい。
でもちょっと待て。欠席の連絡って、メールでするものなのか?
僕の答えは、「違うだろ〜!」なのである。
ただの「連絡」に過ぎないのか?
どうして、僕はこのことに違和感があるのだろう?
学校へは、親が責任を持って子供を送り出さなければならない。そう、「義務」なのだ。
子供が教育を受けなければならない義務を有しているのではなく、親が子供に教育を受けさせなければならない義務を有しているのだ。
だから、それに支障が生じた場合、親が学校に対して「すいません」という姿勢で臨むのが普通だと思われる。
そんな場合、メール一本で連絡を完了させてしまう神経を、僕は持ち合わせていない。
否応なしに感情は付きまとう
通常の取り決めを遂行できない原因は自分の側にある。例えば、理由は何であれ、自分が待ち合わせ時間に遅れるとする。絶対に電話を使う。声を聞いてもらわないと、伝わらないではないか。
ビジネスの場面なら、抹殺されかねない。
人間関係が薄っぺら
そういえば、スーパーのレジの女性のお尻のポケットに、スマホが突っ込んであるのをよく見かける。店内での連絡用なら首からぶら下げるだろう。察するに、あれは個人用だ。
業務に直接関係のないものを、職場に持ち込むだろうか?更衣室のロッカーならもちろん分かる。
もう一つ。以前勤めていた病院でも、受付の女性のうちの何人かは、業務中に、常に自分の手の届く範囲にプライベートのスマホを置いていた。
見入ってしまうことはないにせよ、「メールが来た」「ラインが来た」と言っては、時々手が止まっていたように思う。
上司は、たまに僕にブツブツ言っていたが、結局は放任した。
要するに舐めている。
機械に飲み込まれる人と、抗う人
学校と職場を同列にはできないものの、常に人間には「立ち位置」というのがあって、礼儀もある。
すべてのものを超えて、「便利」が最優先されるうち、人間の本質の部分が踏みにじられていくようで、僕は大げさかも知れないが、うすら寒いものまで感じるのである。
森下昌彦(えむもりさん)
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