小豆島は山の島なのだ。のどかなイメージに反する、瀬戸内最高峰を有する険しい山の島だ。
従って、小豆島88カ所のいくつかは、厳しい「山岳霊場」の名前通りに、そのロケーションに慄いてしまいそうになる所もある。
その筆頭格と言って良いだろう。42番札所の「西之滝」である。
早速紹介する。
アクセスは意外にも簡単
昔、初めて登った時には、道が分からずに困った記憶がある。今は、カーナビにガイドしてもらえるので超簡単。
池田の、新しい井上誠耕園の前の、池田農免道路から入って行くのが一番行きやすいだろうか。
途中、不安になるほどの急坂と道の狭さにたじろぐが、そのまま勇気を持って突っ切って欲しい。ただし、ガードレールがない所もあるので、要厳重注意。
交互通行の信号が見えたら、ゴールは近い。
この日は元日だったが、決して広いとは言えない駐車スペースが、半分くらい埋まっていた。普段の閑散ぶりからすると、「大盛況」の部類だろう。
一歩ずつ世界観に吸い込まれていく
最初に長い石段がある。ここを登る途中で、一旦振り向いて欲しい。遥か遠くに四国本土を臨み、眼下には海がキラキラ輝いている。
数多くのドラマや映画のシーンに使われた場所だ。ハッと息を飲む光景が、ここが神聖な場所であることを示してくれているようでもある。
さらに進むと本堂が見えてくる。切り立った岩の壁にへばりつくように建つ姿が、神々しいほどである。
簡単には人を寄せ付けない厳格さに圧倒される。
時間を超えて心を共有する
その昔、車も何もない時代の人たちは、この本堂に一歩足を踏み入れた時に、どう感じたのだろうか?それほど高い山ではないが、ろくに道もないようなところを登るのは、並大抵のことでは無かっただろう。
この場所に来ることで、その人たちと、通じ合ったように感じるから不思議だ。信仰深いわけでも何でもない僕でも、なんとなくかしこまった気分に浸りたくなるのは、きっとこの空気感が好きなのだろう。
未来へ翔び立つために
悠久の過去から脈々と続く、溢れんばかりのパワーを感じたいのだ。
しかし、もちろん振り返るために感じたいのではない。今を見つめ、将来を生きるために、しっかりとココロを研ぎ澄ましておかなければならない。
絶景かな
ちなみに、この場所は、小豆島でもちょっと隠れた夕陽スポットのひとつだ。標高の加減で、少し太陽を見下ろすような感じにも見える。広く海を見渡せるところが、特筆モノである。
しかし、暮れてしまうと帰り道が怖いので、早めに退散することをお勧めする。
森下昌彦(えむもりさん)
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