人工知能×仮想現実の衝撃〜第4次産業革命からシンギュラリティまで〜(雑賀美明氏著)は、未来がすぐ目の前に迫っていることを感じさせてくれる、必読の入門書だ。

僕がiPhoneを使い始めて、7年と少し。当時、「そんなもん何に使うねん?」と半ば呆れ顔で聞いてくる人もいた。現在では、その時の「否定派」もこぞって使っている。持っていない人を探す方が難しい。

この経験をした人には、よく分かるはずだ。イノベーションが起きるときに、人間の「躊躇」が介入する余地はないということが…。

科学者目線ではなく、経営者目線

この本を書いた雑賀氏は、AI(人工知能)やVR(仮想現実)を専門とする科学者ではなく、それらを活かしてビジネスとして成立させようとする、起業家であり経営者なので、どうにも頭がこんがらがってしまいそうな話が書いてあるわけではない。

では、何が書いてあるのか?

それは、「未来はすぐ目の前に迫っている」ということだ。

変化は突如としてやって来る

最初に書いたスマホの例もそうだ。他にもいくらでもある。

最近ネットで見た写真だが、1903年のシカゴの町並みを写したものがあった。街の中心の道路が、大渋滞となっている。車で埋め尽くされている。車と言っても、まだ馬車の時代だ。

それから10年後の1913年に、同じ場所を撮った写真。同じように大渋滞だ。ただし、この時は全てが自動車に取って代わった。

たった10年である。ただ眺めていては傍観者にしかなれない。

身につけておきたい当事者意識

儲けるとか、そんなことを度外視したとしても、先取りしようとする好奇心のアンテナを張り巡らせた方が、何やらワクワクして楽しい気分になりそうなのは、僕にでもわかる。

電気自動車や、自動運転どころではない。空飛ぶ自動車を受け入れる心積もりがあっても、早過ぎはしない。

さて、僕は何をしようか?残念ながら、これぞ!という革新的なものは、思いつきもしない。頭をひねって、未来に思いを馳せよう。

何度も言うが、未来はすぐ目の前に迫っている。のんびりじっくり考えている暇は、それほどないであろうことを忘れてはならない。

実体験とVRの垣根が低くなる?

VRが身近になるのなら、動画はヘッドマウントディスプレイで見るのが当たり前になるだろう。すると、今のユーチューバーたちは、みんな360°カメラを使い始めるはずだ。

僕は、ロードバイクに乗って、小豆島の360°映像を撮りまくってみようか。一介のおじさんが、そんなしんどい事をわざわざする前に、「スーパーGoogleアース」なんかが登場するだろう。それならそれで、Googleがこんな所まで入ってくるはずがない、って所まで行けば良い。やっぱり何かワクワクする。

でもおもろいオッちゃんは重宝する

AIもVRもいいが、「おもろい個人」が太刀打ちできる余地は、そんな時代だからこそ、やはり残っていくと信じている。もちろんピンポイントでいいので、深〜く入り込む人でありたい。そういう人を目指したいのだ。


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森下昌彦(えむもりさん)

大阪在住50代。妻と1女1男。  長く医療業界に携わったが、軸足を移すことを模索・実行中。 詳しいプロフィールはこちら